企業のリモートワーク、テレワーク(在宅勤務)導入に!LTE対応のSIMフリーノートパソコンの選び方やオススメを解説。
SIMフリーノートPCとは?
SIMスロットを搭載しており、SIMを挿入することで4G LTE通信をすることができるSIMフリーPCです。簡単に言えばスマホがノートパソコンになった、という感じ。
格安SIMが流行って広まったことで各社が売り出すようになってきています。
リモートワークにSIMフリーノートPCがオススメな理由
オススメな理由
- 外出先でも気軽に、自由な場所で仕事ができる
- 開いてすぐにネット環境に接続できる
- 家にネットワーク環境のない社員にも貸与できる
- LTEは機密性が高く、セキュリティ面でも安心
ここ数年は、働き方の多様化に伴って、社内に限らずコワーキングスペースなどを利用して仕事をする「リモートワーク(テレワーク・在宅勤務)」が盛んになってきています。
最近の出来事で言えばウイルスや大規模イベントにより、出勤して社内での作業を行いたくないとき、行わせたくないときにリモートワークを導入することを検討されるかと思われます。
そこで、リモートワークを導入しようと考えたとき、社員にはどのようなパソコンを支給すればいいのか?普段社内で使用しているノートパソコンなどを持ち運ばせていいのか?ということを疑問に思うかもしれません。
まず、ノートパソコンを持ち運んで外出先で作業をしたいとき、Wi-Fi環境がある場所を選んだり、Wi-Fiルーターを持ち運んで作業するというのは手間が増えることになります。
フリーWi-Fiなどを利用して作業をするのは、通信が不安定、接続までに時間がかかる、などといった不便な点や、セキュリティ面での不安も存在します。
SIMフリーノートパソコンならばまるでスマホのように、家でも外出先でも開いてすぐに、安定した通信環境で作業を開始することが可能になります。
セキュリティ面では、Wi-FiなどとくらべLTE通信は機密性・安全性が高いと言われています。会社の重要な情報を用いる場合、セキュリティ面は非常に重要になってくるので、LTE通信を利用することはメリットになります。
また、外出先に限らず、リモートワークを導入して家で仕事をさせるという場合、必ずしも社員宅に固定回線、ネットワーク環境が整っているとは限りません。そのような場合にも、SIMフリーノートパソコンなら簡単にネット環境に接続できます。
以上のことから、社外でも仕事を行うリモートワークを導入する上で、SIMフリーノートパソコンを支給することは非常に便利で、オススメなアイテムとなります。
SIMフリーノートPCのデメリット
ココがデメリット
- LTEモデルは少し高くなる
- 選べるPCが少ない
リモートワークにSIMフリーノートパソコンは便利、という話をしてきましたが、一方でデメリットもいくつか存在します。
LTEに接続するためには、LTE通信モジュールが搭載されている必要があります。
SIMフリー・LTEに対応しているノートパソコンを購入する際、通常搭載されている場合もありますが、カスタマイズで+数万したりと通常よりも高価になってしまうことが多いです。
また、SIMフリーノートパソコンはまだまだ少ないことが現状となっており、求めているスペックのノートパソコンが見つからない場合もあります。
逆にいうと、スペック面でも使用用途にあっているノートパソコンがLTEに対応しているならば、バッチリです。
リモートワークに適するSIMフリーPCとは?選び方・確認すべき項目を解説
メリットとデメリットを軽く説明したところで、では実際購入するとなったらどういう項目を確認すべきかを解説します。
大きさ・重さで選ぶ
まず大きさ。ノートパソコンだけ別でケースやかばんを用意して持ち運ぶ場合ならよいですが、普段使うかばんの中に入れて持ち運ぶという方は、サイズが重要です。
- A4サイズ : 横210mm×縦297mm
- B4サイズ : 横257mm×縦364mm
あまりに重いと肩が痛くなったり、腕が痛くなったりと、長時間持ち運ぶことがあるなら重さは重要です。
軽量ノートパソコンはどんどん発売されていて、1kgを切っていたら非常に軽量です。持ち運ぶのならばせめて1.5kgくらいまで、2kgは重すぎるでしょう。
バッテリー持ちで選ぶ
外出先でコンセントなどが備わっているカフェなどならよいですが、備わってない場所で長時間作業をする場合はバッテリー持ちが重要になってきます。
スペックを見るとほとんどがバッテリー駆動時間として、目安の時間が記載されています。
あくまで目安なので必ずその時間稼働させることができるというわけではないですが、参考にするといいでしょう。
また、短時間しか充電できない場合などに、高速充電の機能が搭載されていると便利でしょう。
パナソニックのレッツノートシリーズでは、着脱式バッテリーを採用して手軽に交換ができる機種も販売されています。新品のバッテリーと交換してくれるオプションサービスもあります。
耐久面で選ぶ
床に落としてしまったときや、なにか重いものを上に落としてしまう、踏んでしまう、など可能性によってはノートパソコンに様々な衝撃が与えられる場合があります。
ノートパソコン本体だけでなく、キーボードへの負荷、ノートパソコンの開閉に欠かせないヒンジへの負荷の丈夫さも重要です。
メーカーでは、独自の審査基準でノートパソコンに負担や衝撃を与えて耐久試験を行っていることが多いです。
頑丈なSIMフリーPCについては別ページでまとめているのでよければご覧ください。
セキュリティ面で選ぶ
指紋認証や顔認証など、うっかりパソコンを置き忘れてしまった場合などに重要です。
最近のノートパソコンには大体指紋センサーが搭載されていますし、Windows Helloに対応したWebカメラを搭載していれば、顔認証にも対応することができます。
外出先で仕事をしたい場合、カフェや電車などでは周りの視線が気になってしまうこともあるかと思います。
そういう場合には、ThinkPadには「ThinkPad Privacy Alert」、HPには「HP Sure View」という覗き見防止ディスプレイを搭載できる機種が販売されています。
Webカメラ、スピーカー、マイクなど
リモートワークをするうえで、通話によるオンライン会議を考えている場合、スピーカーの音質や、Webカメラが搭載されているかなどは重要かと思われます。
WebカメラはLTE対応のSIMフリーノートパソコンには基本的に搭載されています。画素数などもそう変わらず、搭載されているかどうかを確認するくらいでいいでしょう。
リモートワークをしている社員側がヘッドセットなどを利用する場合は、特にスピーカーやマイクを気にする必要はないと思います。
複数人で、1つのノートパソコンを前に会議を行うという場合は、スピーカーの音質や、マイクの集音性は大事です。
セキュリティ面について詳しく
情報流出対策
- セキュリティソフトの導入
指紋センサー・顔認証で対策
指紋センサー、Webカメラを搭載しているノートパソコンでは、Windows Helloを利用できます。
Windows Helloとは、指紋認証または顔認証を使って、パスワードを入力せずにWindowsにサインインできる認証機能です。
周りから見られるかも・覗き見防止
- プライバシーフィルターなどを導入する
- hpのノートパソコンでは、「HP Sure View」というプライバシースクリーン機能が導入されている。視野角を制限することで、他の人が画面上の情報を見ることが困難になる
そもそも周りから見られるような環境で重要な仕事はしないように指導しましょう。
紛失・盗難時の対策
- HDDの暗号化、Windows 10に標準搭載されているドライブ暗号化機能「BItLocker」の使用
- ログインパスワードの設定
- BIOSパスワードの設定
- 遠隔操作してロックができるソフト、データを消去できるソフトの導入
BitLockerの導入やログインパスワード、BIOSパスワードの設定は紛失云々の前に設定しておくべきですね。
データの消失、漏洩、不正アクセスが起きるかもという不安へ
企業情報が入ったノートパソコンを社外に持ち出されるのは不安だという声もあるかもしれません。
データの消失、漏洩、不正アクセスが起こってしまったとき、企業側負担の損害賠償金や弁護士費用などの損害補償をしてくれる保険を提供している会社もあります。
Lenovoでは、マイクロソフトと東京海上日動が提供しているテレワーク保険が付帯したノートパソコンも販売されています。任意加入も可能です。
リモートワークにオススメのSIMフリーPC
持ち運ぶことを前提として、基本的に軽めのノートパソコンをオススメしています。
事務系、書類作成、文字編集などの仕事におすすめ
基本的に、事務作業のような仕事をする会社では高スペックのノートパソコンは必要ない場合、これらがオススメです。
ThinkPad X1 Carbon Gen 8は、14.0型、最上位モデルでCore i7-10610Uを搭載しており、スペックとしても申し分ありません。重さは約1.09kgと、非常に軽量です。価格は15万9544円~。
ThinkPad X13 Gen 1は、13.3型、CPUは最上位モデルでCore i7-10610U、重さは約1.18kgとそこそこ。価格は9万5128円~。
レッツノートSVシリーズは、12.1型と小さめで、CPUは最上位モデルでCore i7-10810U、重さは約0.949 kg~、光学ドライブが搭載できるのが特徴です。価格は24万5300円~。
設計、デザイン系の仕事におすすめ
設計、デザイン系ともなると、ある程度のディスプレイ解像度、メモリ、グラフィックが必要となります。
そこでオススメなのが、ワークステーションと分別されるノートパソコンです。
主にLenovoから、LTE通信に対応したモバイルワークステーションのノートパソコンが販売されています。
ThinkPad P43sは、14型のWQHD IPS液晶や、タッチパネルを搭載可能です。Core i7-8665Uを搭載可能で、グラフィックスはQuadro P520が搭載されています。メモリは最大48GB搭載できます。重さは約1.47kg、価格は18万6120円~。
ThinkPad P53sは、15.6型のUHD(4K) IPS液晶や、タッチパネルを搭載可能です。Core i7-8665Uを搭載可能で、グラフィックスは同じくQuadro P520が搭載されています。メモリは最大48GB搭載できます。重さは約1.75kg、価格は18万6120円~。
接続にはSIMカードが必要です
SIMフリーノートパソコンを利用するにはSIMカードの契約が必要となります。SIMカードを会社側が契約し、社員に貸与するというのが良いかと思います。
SIMフリーパソコンの対応SIMカードのサイズを確認してください
一重にSIMカードといっても、SIMカードにはいくつかサイズが存在します!
SIMフリーパソコン側にもSIMスロットが搭載されており、合致したサイズのSIMカードを契約しないといけません。
通常SIM、microSIM、nanoSIMなど、きちんとノートパソコン側のスペックを確認した上で、SIMカードも申し込んでください。
格安SIMのカードはいろいろなサイズがあると聞いたけど、どれを選べばいいの? | OCN モバイル ONE | NTTコミュニケーションズ 個人のお客さま
SIMフリーノートパソコンのLTEの対応周波数を確認してください
SIMフリーといっても、世の中で販売されているSIMカードを挿したらどれでもLTE通信ができるというわけではありません。
格安SIMにはそれぞれ利用しているキャリア(docomo, au, softbank)回線があります。たとえばdocomoだとIIJmio、auだとUQ mobile、softbankだとY!mobile・・・などなどたくさんあります。
SIMフリーパソコンにはLTE通信をするためのモジュールが搭載されており、それぞれ対応している周波数が決まっています。格安SIMを選ぶ際には、どこのキャリア回線を利用しているのか、SIMフリーパソコンの対応周波数と一致しているかを確認しなければいけません。
大雑把にいうと、docomo系SIMはBand 1/3/19/21、au系はBand 1/18、softbank系はBand 1/3/8に対応してると、利用場所にもよりますが大体快適なネット環境が得られます。
以下のまとめ記事ではそれぞれの周波数について簡単に説明していますが、利用環境によっても確認する周波数が違ってくるので注意してください。
最近のSIMフリーパソコンはこれらの主要周波数にはほぼ対応をしているのであまり気にしなくてもいいかもしれませんが、モノによっては対応していない周波数もある場合があります。
きちんとSIMフリーパソコンが対応している周波数を確認した上で、格安SIMを選びましょう。
なお当サイトのPC紹介記事などはあくまで日本国内での利用を考えているので、海外のSIMなどでの利用となるとまた別の話です。対応Bandが異なっていることが多いのできちんと公式HPのスペック表で確認してください。
法人向け、大容量プランの格安SIMを選ぶ
ノートパソコンで作業をするならば、多くの通信量がかかることが考えられます。そのため、契約する格安SIMはなるべく大容量プランが用意されているものがよいでしょう。
ノートパソコンなので音声通話は必要ありません。なのでデータ通信のみでの契約ができるという点も確認しなくてはいけません。
法人契約は、個人向けのものよりも安くなることが多く、お試し利用できることもあります。また、データ容量などを一括管理できるので便利です。
また、個人向けだとほとんどがクレジットカード決済のみですが、法人向けだと口座引落が可能になることが多いです。
ワイモバイル
割引対象プラン | 基本使用料 | 法人契約割引 (2回線以上) |
---|---|---|
スマホベーシックプランS (データ通信量3GB) |
2,680円 | 1,980円 |
スマホベーシックプランM (データ通信量9GB) |
3,680円 | 2,980円 |
スマホベーシックプランR (データ通信量14GB) |
4,680円 | 3,980円 |
ワイモバイルはソフトバンク回線のSIMです。法人向けでは、2回線以上の契約で法人契約割引が適用されてお得です。
また、ワイモバイルは他の格安SIMよりも通信が安定し、通信速度が早いと評判です。その分割高にはなります。
オプションで、月500円でデータ容量を追加することができます。プランSは4GB、プランMは12GB、プランRは17GBになります。
他にも、オプションの追加データ容量を超過した場合に、500MBごとに500円で自動でデータ容量が追加されるモードも用意されています。
別途、事務手数料3,000円、ユニバーサルサービス料が別途かかります。
法人トップ|ワイモバイル(Y!mobile)法人/ビジネス向け
BIGLOBEモバイル
上り・下り 高速プラン |
データSIM SMSなし タイプD |
---|---|
3ギガ | 700円 |
6ギガ | 1,250円 |
12ギガ | 2,500円 |
20ギガ | 4,300円 |
30ギガ | 6,550円 |
BIGLOBEモバイルの法人向けでは、最大30GBまでの契約が可能です。回線はドコモ回線のみとなっています。9回線までならネットで、10回線以上は電話で申しこむ必要があります。
BIGLOBEオフィスサービスを契約した上で、BIGLOBEモバイルを申し込む必要があります。別途、BIGLOBEオフィスサービスの月額料金が必要となります。(基本管理者1人につき月500円)
別途、プラン申込手数料3,000円(税別)とSIMカード準備料394円(税別)がかかります。初月無料。
法人向け格安SIMならBIGLOBEモバイル | BIGLOBE biz.
mineo
シングルタイプ (データ通信のみ) 容量 |
au回線 | ドコモ回線 | ソフトバンク回線 |
500MB | 700円 | 700円 | 790円 |
3GB | 900円 | 900円 | 990円 |
6GB | 1,580円 | 1,580円 | 1,670円 |
10GB | 2,520円 | 2,520円 | 2,610円 |
20GB | 3,980円 | 3,980円 | 4,070円 |
30GB | 5,900円 | 5,900円 | 5,990円 |
法人向けmineoでは、1企業の管理IDで2回線以上申し込む場合、月額基本料金から50円割引されます。au回線、ドコモ回線、ソフトバンク回線すべて用意されています。
また、mineoでは繰り越したデータ容量を社内でシェアすることができます。
別途、プラン申込手数料3,000円とSIMカード準備料400円がかかります。